トータルステーションとは、角度測定と距離測定を一体化した測量機器で、座標計算や各種計算を行いながら位置を高精度に測定することができます。
ドローン測量 / UAVレーザ測量システムとは、無人航空機(UAV)に高精度レーザスキャナ(LiDAR)や高性能カメラを搭載し、上空から広範囲の3次元地形・構造物データを短時間で高精度に取得する最新の測量システムです。
- ドローン測量 / UAVレーザ測量システムとは?
- ドローン測量の仕組み
- ドローン測量の用途
- ドローン測量システムの種類
- ドローン測線の使い方
- PENTAX(TIアサヒ)UAVレーザ測量システムの特徴
- スペック表
- まとめ
ドローン測量 / UAVレーザ測量システムとは?
仕組み・用途・種類・使い方を解説
ドローン測量(UAV測量)は、上空から広大な敷地や立ち入り困難なエリアの3次元データを一括取得する測量手法です。
国土交通省が推進する「i-Construction」やインフラ点検の現場において、作業期間の大幅な短縮と安全性の向上を実現しています。
特にUAVレーザ測量システムは、以下の画期的なメリットを提供します。
- 樹木や草むらで覆われた山林でも、隙間をすり抜けるレーザーで地表面(グランドデータ)をダイレクトに計測
- 広大な建設現場や崩落斜面でも、立ち入ることなく安全かつ短時間で測量可能
- 高精度GNSS/IMUとの統合により、空中からのミリ〜センチ級高精度測量を実現
ドローン測量の仕組み
UAVレーザ測量システムは、航空機技術と測量技術の融合により成り立っています。
LiDAR空中照射とマルチリターン技術
ドローンから地表に向けて毎秒数十万発のレーザーパルスを照射します。
複数のリターン(反射波)を捕らえる「マルチリターン技術」により、樹木の葉や枝で反射したファーストリターンと、地面まで届いたラストリターンを識別し、植生下のグランド形状を抽出します。
高精度GNSS / IMU(位置・姿勢補正)
ドローンの空中での揺れや姿勢変化を、超高精度IMU(500Hz等)がリアルタイムにセンシングし、GNSS後処理(PPK/RTK)によって機体の3次元位置と傾きをミリ単位で幾何補正します。
高解像度カメラ統合によるカラー化
搭載された高画素オルソカメラがレーザー照射と同期して写真を撮影し、3D点群データにリアルタイムで自然なカラー情報をマッピングします。
ドローン測量の用途
UAVレーザ測量システムは、主に以下の現場で活躍します。
i-Construction(土木工事の起工測量・出来形測量)
切土・盛土の大量土量計算、工事前後の現況確認、出来形管理図面の作成を飛躍的に効率化します。
災害調査・崩落斜面計測
土砂崩れや河川溢水などの危険区域において、作業員が立ち入ることなく空中から迅速に3Dデータを取得します。
森林・山林測量(林野庁・資源調査)
従来の地上測量では困難だった密林下の地表面形状(DEM)の計測や、樹高・立木密度の把握を空中から正確に行います。
大規模開発・メガソーラー・インフラ計画
ゴルフ場跡地、太陽光発電所、道路計画地など、広大な地形の起伏を短時間で測量し設計に活かします。
ドローン測量システムの種類
搭載するセンサや目的に応じたシステム構成があります。
UAVレーザスキャナシステム(UL-3 / UL-X1)
高密度32ビーム搭載のUL-3、長距離最大800m計測・45MPカメラ統合のUL-X1など、目的に合わせて選べる最新鋭LiDARユニットです。
標準搭載ドローン機体(DJI Matrice 350 RTK)
最大飛行時間約30〜33分、全方向障害物検知、IP55耐候性能を備えた信頼の産業用ドローンプラットフォームです。
ドローン測線の使い方
基本的な作業手順は以下のステップで進められます。
1. 飛行計画作成(ラップ率・高度・速度の設定)
専用アプリで対象エリアを指定し、飛行高度(AGL)、飛行速度、レーザーのオーバーラップ率を自動計算して経路を作成します。
2. 地上基準点(GCP/対向検証点)の設置
精度検証および位置補正のため、現地に検証点を配置しGNSS等で正確な座標を計測します。
3. 自動飛行スキャン実行
自動離陸後、ドローンが指定ルートを自動飛行しながらレーザー照射と写真撮影を連続実行。完了後自動帰還します。
4. 解析・点群データ出力
解析ソフトでGNSSデータとIMUデータ、レーザー反射データを後処理合成し、不要な植生を除去した高精度3D点群を出力します。
PENTAX(TIアサヒ)UAVレーザ測量システムの特徴
TIアサヒのUAVレーザ測量システムは、「圧倒的な透過能力」「高精度なカメラ統合」「高い安全運用性」を誇ります。
高密度&長距離計測能力(UL-3 / UL-X1)
UL-3は最大192万点/秒の超高密度スキャンを実現。UL-X1は最大800mの測定レンジを備え、高高度からの安全な飛行スキャンが可能です。
高解像度カメラによる美しいリアルタイムカラー点群
45MPソニー製センサー等を採用し、細部まで鮮明なテクスチャ付き3D点群を生成。構造物の判別が容易に行えます。
Matrice 350 RTK とのシームレスな統合
DJI Skyport規格に対応し、ワンタッチでの着脱、機体バッテリーからの給電と安定運用を実現しています。
スペック表
UAVレーザスキャナ / ドローンシステム スペック比較表
| 仕様項目 | UL-3 | UL-X1 |
|---|---|---|
| シリーズ / カタログ | Smart UAV LiDAR System | Smart UAV LiDAR System |
| 【システムパフォーマンス・基本性能】 | ||
| 水平精度 | 観測手法別精度参照 | 2 cm 〜 5 cm RMS ※1 |
| 垂直精度 | 観測手法別精度参照 | 2 cm 〜 5 cm RMS ※1 |
| 取付マウント | — | 簡単に取付、取り外しが出来るデザイン |
| 本体寸法(幅×奥行×高さ) | — | 112mm × 210mm × H 131mm |
| 本体重量 | 1.75kg(計測ユニット本体のみ) / 2.23kg(バッテリ、アクセサリ含む) | 1.55 kg |
| データストレージ / 書込速度 | — | 512 G × 2個 ・ 80 Mb/s |
| 【LiDAR / レーザースキャナ性能】 | ||
| レーザークラス | クラス 1(EN60825-1 / JIS C6082) | クラス 1 |
| 測定範囲 / レンジ | 0.5m 〜 300 m | 10 m 〜 800 m |
| レーザーパルスレピュテーションレート (PRR) | — | 100 kHz / 300 kHz / 500 kHz |
| 最大レンジ (@ ρ > 20%) | — | 400 m (100kHz) / 275 m (300kHz) / 215 m (500kHz) ※2 |
| 最大レンジ (@ ρ > 80%) | — | 800 m (100kHz) / 480 m (300kHz) / 280 m (500kHz) ※2 |
| 最大運用対地高度 (AGL @ ρ > 20%) | — | 317 m (100kHz) / 218 m (300kHz) / 170 m (500kHz) |
| ビーム本数 | 32 | — |
| リターン数 | 3 | Up to 8 |
| レーザー発散角 | — | 0.032° |
| 最小レンジ | 0.5 m | 10 m |
| 正確度 | ≦ 5mm @1 σ | 15 mm (1 σ , @150m) ※3 |
| 精度 | ± 1cm | 5 mm (1 σ , @150m) ※4 |
| スキャン角度 (FOV) | 断面方向: 120° (最大 360°) / 飛行方向: 40.3° (-20° 〜 +19.5°) | 75° |
| 最大スキャンレート / 取得点数 | 640,000 点/秒 (@1リターン)、最大 1,920,000 点/秒 (@3リターン) | 500,000 meas / sec |
| スキャンスピード | — | 50 〜 250 scans/sec (選択可能) |
| 角度分解能 | 断面方向: 0.09°@5Hz / 0.18°@10Hz / 0.36°@20Hz、飛行方向: 0.13° | 0.001° |
| 【カメラシステム】 | ||
| カメラ仕様 | ソニー製カメラ 3台搭載(キャリブレーション済み) | オルソカメラ 1台 |
| 解像度 | 2600 万画素 (APS-C) | 45 MP |
| シャッター方式 | メカニカルシャッター | — |
| 焦点距離 | — | 21 mm |
| センサーサイズ | APS-C | 36mm × 24mm (8184 pixel × 5460pixel) |
| ピクセルサイズ | — | 4.4 μm |
| 最小撮影間隔 | — | 1 s |
| カメラ FOV | — | 81.2° × 59.5° |
| フロントビューカメラ | — | 有(リアルタイムカラー化用) |
| 【測位とGNSS / IMU】 | ||
| GNSS システム | GPS, GLONASS, QZSS, GALILEO, BEIDOU | GPS:L1,L2,L5 GLONASS:L1,L2 BEIDOU:B1,B2,B3 GALILEO:E1,E5a,E5b |
| GNSS アンテナ | 2周波 | — |
| GNSS 更新レート | 5 Hz | — |
| IMU 更新レート | 200 Hz | 500 Hz |
| 後処理姿勢精度 | 単独: 0.04° / DGPS: 0.03° / RTK: 0.03° / PPK: 0.025° (ロール&ピッチ) | 0.006° RMS pitch/roll 0.019° RMS heading |
| 後処理位置精度 | 単独: 1.5-3.0m / DGPS: 0.5-2.0m / RTK: 0.02-0.05m / PPK: 0.02-0.05m | 0.010 m RMS 水平 0.020 m RMS 垂直 |
| 観測手法別精度 (単独) | 位置: 1.5-3.0m, 速度: 0.05m/s, Roll&Pitch: 0.04°, 方位: 0.3° | — |
| 観測手法別精度 (DGPS) | 位置: 0.5-2.0m, 速度: 0.05m/s, Roll&Pitch: 0.03°, 方位: 0.28° | — |
| 観測手法別精度 (RTK) | 位置: 0.02-0.05m, 速度: 0.02m/s, Roll&Pitch: 0.03°, 方位: 0.18° | — |
| 観測手法別精度 (PPK) | 位置: 0.02-0.05m, 速度: 0.015m/s, Roll&Pitch: 0.025°, 方位: 0.08° | — |
| 【動作環境・電源・データ】 | ||
| 動作温度 / 湿度 | -15℃ 〜 50℃ | -20℃ 〜 +50℃ / 80%, 結露なし |
| 保管温度 | — | -20℃ 〜 +60℃ |
| 防塵防水性能 | — | IP64 |
| 電源 / 入力電圧 | Matrice350より供給(内蔵バッテリ併用可) | DC 24V (13 〜 27V) |
| 電気消費 / 給電方式 | Matrice350より供給 | 消費電力 40W / UAV(DJI Matrice350)のバッテリ依存・DJI Skyportから給電 |
| 【搭載ドローン (Matrice 350) 仕様】 | ||
| 搭載ドローン機種 | Matrice 350 | Matrice 350 |
| 寸法 (幅×奥行×高さ) | 81.0cm × 67.0cm × 43.0cm (プロペラ除く) 対角 89.5cm | 81.0cm × 67.0cm × 43.0cm (プロペラ除く) 対角 89.5cm |
| プロペラ数 | 4 | 4 |
| 電源 (バッテリー) | TB65 5880mAh Li-Po バッテリー 2個 | TB65 5880mAh Li-Po バッテリー 2個 |
| 最大飛行可能時間 | 約 30 分 (ホバリング時 / 計測ユニット搭載時) | 約 33 分 (ホバリング時 / 計測ユニット搭載時) |
| 障害物センサ | 全方向 (計測ユニット搭載時は下方センサー無効) | 全方向 (計測ユニット搭載時は下方センサー無効) |
| ドローン重量 | 6.47kg (TB65 × 2個バッテリ含む) | 6.47kg (TB65 × 2個バッテリ含む) |
| 自動離着陸 | 可能 | 可能 |
| 事前プログラムによる飛行 | 可能 | 可能 |
| 無線周波数 (送信機) | 2.400 〜 2.483GHz | 2.400 〜 2.483GHz |
| 最大伝送距離 | 約 8km (障害物や電波干渉が無い場合) | 約 8km (障害物や電波干渉が無い場合) |
| ドローン防塵防水性能 | — | IP55 |
まとめ
ドローン測量 / UAVレーザ測量システムは、これまで多大な時間と危険を伴っていた広範囲測量を、安全・短時間・ミリ〜センチ級の高精度で完了させる最新技術です。
TIアサヒでは、現場での扱いやすさと成果品の精度を追求したUAVレーザシステムをご提案しております。導入のご相談やデモのご依頼はお気軽にお申し付けください。